何のために歩くのか
何のために進むのか
よく分からなくなって
僕はふと足を止めた。
足を止めると
そこは何も無い場所だった
本当に何も無い
今まで辿っていた砂利道だって
何処かに消え失せてしまった。
僕はとても幸せだ
何も無い風景を見ながら
僕は心からそう感じた。
でも僕はもう二度と
此処から歩くことはしないだろう。
今まで会った人々に
有り難うと佐用ならを告げ
これから会う人に
御免ねと佐用ならを告げ
遠くに行ったあの人に
今から貴方のもとに行きます
と文を送り
僕は持っていた万年筆を
勢いよく胸に刺した。
因みに佐用ならは
意図的に書きました。