きっちりかっちり

  
君はそろそろ自分に自惚れるといい。
 
そう、自分が積み上げてきたことに自惚れればいい。
 
そうして、自分より高く積み上げた人を見て
 
自分は何をやってたんだと後悔するがのがよい。
 
そこで君は積み上げてきたことを崩したくなるかもしれない。
 
でも、思い出して、君が積み上げてきたのはどこに向かうためだい?
 
自暴自棄になって奈落の底へ行くためではないだろう。
 
かつて一瞬でも憧れ、目指そうと思ったものがある空へ向かうためではないだろうか。
 
そう思ったとき、きっと耳元でこう囁かれるだろう。
 
私が憧れ、目指したものはこんな低い空ではない、と。
 
きっとそのときにはもう動く気力なんてないかもしれない。
 
そのときはもう一度言うよ
 
君はそろそろ自分に自惚れればいい、と。