覚えておけ

 
四月一日
 
きっと君は忘れるだろう。
 
でも覚えておいて
目まぐるしく襲い来る記憶の波に
削り取られても
 
コンクリートの塊の中にでも
詰め込んで
時間の風で風化なんてされずに
 
 
世の中の全ての物には
表と裏がある。
 
どちらも極めて純粋で
2つは一つの物であるが
決して混ざってはいない。
 
そう。
例えば音楽。
僕は音楽に命を救われた。
 
僕にとってはそれは
奇跡に近く、そして音楽という物の
美しさを知った。
 
しかし、どうだろう。
世の中には音楽と言うモノが溢れているが
それが突如
僕が音楽にされた事と逆の事が起これば?
 
音楽は直ぐに死神となり
音楽というものの怖さを知るだろう。
 
そう。
それは生と死に限りなく近いだろう。
 
人間の考えられる対極のなかで
一番究極のものは生と死だ。