私は何年経っても
此処から
この灰色の空を眺め
忙しく歩みを進める人々は
どこか遠くの存在で
虚無感だけを私に残し去っていく
産声をあげたときから
生まれてしまったと嘆いたあの日から
浮世に期待など微塵もなく
何時になれば終わるのかと待つばかり
ただ一つ嬉しく思うは
呼吸が出来ぬ浮世に
似合わぬ君に遭えたこと
君に出会えたその事が
私の生きる糧なのです
似合わぬ君も何時しか染まり
可愛い仮面を被って踊り
私の見えぬ所へ消える
いつしか遭える時はきっと
君はきっと
冷たくなっているでしょう
温かな雨は頬を伝い
君を少し暖める
最期の時に間に合うように
私は病院で待ってます
何時の日か
また今度
病院で会いましょう。