誰だってごろごろ

 
誰だってきっとずっと寝ていたい。
ごろごろと縦横無尽に、ふかふかのベットで。
しかし、いつの日か人々は寝るのをやめる。
きっかけは寝るのに飽きたり、起こされたり、暖房がきれて寒くなったり、色々あるだろう。
いずれにせよ多くの人々は寝るのをやめるのだ。
そうして日々の生活と言う本を読みながらベーコンエッグでも作り始める。
まだ寝ている人を横目に見ながら始まる朝食。
食べ終わり歯を磨いている時にもう一度見るとやはり寝ている。
着替えが終わりかばんの中身をチェックしているときにもまだまだ寝ている。
玄関の戸ががちゃりと閉まる音がした後もむにゃむにゃ寝ている。
寝てる。ずーっと寝てる。人々がいそいそと仕事に励んでいるその瞬間も寝ている。
そう、多くの人は寝るのをやめるのだ。
気持ちよさそうに寝ている人を横目にいそいそし始める。
 
いそいそ ぐーぐー
ぐーぐー いそいそ
 
多くの人はいそいそしながらそうつぶやくのだ。